BtSで追加された新要素「諜報」に全てを委ねる戦略。アルファベットの発明以後商業配分を科学0%・諜報100%に切り替え、必要な技術は全てスパイを使って他国から盗むプレイスタイル。過去のCivシリーズにも「技術を奪う」戦略は存在したが、BtSのそれはより精密になっている。高難易度で真価を発揮し、戦争プレイと相性が良い。
諜報プレイは自分で研究を行う科学プレイに比べて有利な点がいくつもある。列挙すると:
以下、詳細
自力で技術を開発する場合、完成に必要なビーカー数はおおむね基本コストの83%から57%の間になる。http://stack-style.org/SidGame/civ4strategy/0000500006.html参照。
ひとつ計算例。標準マップ・7文明・スピード標準・難易度天帝でゲームを始めたとする。この場合「天文学」の基本コストは3380である。研究には暦と光学の両方が必要なので、前提修正子は1.2になる。そして:
ゲーム中の現実的なコストはこの83%と71%の間だろう。大半の技術は必要最低条件=前提条件全て となっているし、自力研究するのは大抵あまり知られていない技術だ。
一方他国の都市から技術を盗む場合、対象技術の基本ビーカーコストの150%が基本諜報コストになる。これに累計諜報ポイントの比・スパイの滞在時間・交易路の有無・宗教・文化・防諜局の有無が影響して最終コストが導き出される。詳しい計算式は調査中。比較的恵まれた条件ならば
程度で盗み出せる。しかし対象文明が隣にいなかったり、外交上の都合で宗教ボーナスを利用できなかったりといった不都合も実際にはたびたびある。その場合
技術窃盗はあらかじめ相当量の諜報ポイントを蓄積する必要がある。この際副次的に対象国の視界や都市画面にアクセスできる場合が多い。 スパイの任務に必要なコストはすべて諜報ポイントの累計支出高によって割引を受ける。戦争の際攻略対象の都市で内乱を起こす、宇宙勝利の近い文明に破壊工作を仕掛けるなど他の任務も諜報プレイなら安上がりだ。
諜報プレイでは産出されるビーカーが全て無駄になる。技術を途中まで自力研究しても窃盗コストには影響しないからだ。また科学と諜報のハイブリッド戦略は累計諜報支出による割引ボーナスが減るので現実的でない。こういうわけで大学やアカデミーなど科学ブースト系施設は一切建てる必要が無く、その分のハンマーが節約できる。
しかし科学プレイに比べて不利な点も多い。
諜報プレイは他の戦略に比べると専門家経済との相性は良くない。
まず理由1だが、スパイ専門家は解禁がかなり遅い。法律でやっと1人解禁、3人を割り当てるには憲法の入手を待たなくてはならない。カースト制度もスパイ専門家は適用対象外である。また専門家の産出力は諜報4とビーカー1。上述の理由でビーカーは無駄になるので実質4ポイントの価値である。つまり諜報ポイントの入手を専門家だけに頼るのは現実的でない。 ならば商人や技術者も雇用して帝国建設の一助としては?という考えも出てくるが、これも悪い戦略である。何故なら理由2で示したように偉大なスパイの価値が極めて高いからだ。偉大なスパイだけが建設できるスコットランドヤードは都市の諜報ポイント産出に100%という破格のブーストを与える最重要施設。他の専門家を使うことで偉人プールを汚染するのは非効率だ。
自国と交易関係のある都市では諜報任務コストに20%の割引がある。外国貿易の無くなる重商主義はこの点で不利な上、無料の専門家も相性が悪い。
諜報は科学に比べると集積の度合いが低い。オックスフォードに相当する施設が無く、定住させる偉人の量産も難しいので「超科学都市」に相当する「超諜報都市」というものは無い。更に後半の施設がスパイポイントを生み出すこともあり、都市の数がとても重要。OCCには不向きである。
スパイは潜入中と任務遂行時に逮捕される可能性がある。スパイによる不祥事は外交ペナルティの原因となる。
入手する技術は全て他国が開発したもの。従って一番手に与えられる無料偉人や無料技術とは縁が無い。世界遺産の建設も必ず競争になるので相当量のハンマーが無いと難しい。 また隣国がライフル兵を配備していても、軍事学を研究済みの国が無ければカウンターユニットは生産できない。必要なものが必要なときに揃わないリスクが常に付きまとう。
スパイの生産コストは40ハンマー。任務中に相当割合が逮捕されるので順次追加しなくてはならず、科学施設を建てないことで節約した生産力の過半が吹き飛んでしまう。
以下特に但書が無い限りシングルプレイについて述べている。
09'09/08 やや古いため、攻略の参考程度に。
金融志向の指導者は科学プレイ同様に強力。攻撃・カリスマ・組織・帝国など戦争系も相性良好。一方科学系のUBは無駄になる(朝鮮・アラブ・フランス・ロシア)。天帝陛下のスパイ戦?ではオランダを使用している。
専門家経済との相性の悪さから小屋経済でほぼ確定。平らな場所を小屋で埋め尽くそう。食料が足りない場合は風車を建て、畑は米・小麦・とうもろこしの上に限定する。食料が十分にあれば丘陵地は鉱山を掘る。人口はそれほど増やさないので邪魔な森林はなぎ払おう。占領した都市で小屋を育てる時間が無い場合水車と工房を建ててハンマーを得る。
諜報プレイで最も重要な施設はスコットランドヤード。偉大なスパイをより多く、より早く、より確実に輩出する事が勝利の鍵だ。従って、
の3点が重要。諜報戦略では偉大なスパイの価値がとび抜けて高く、他種の偉人は相対的に価値が低いので偉人プールの汚染は断固防ぎたい。偉人を生み出すのに十分なポイントを産出している都市ではスパイ専門家のみを雇い、遺産による汚染も可能な限り排する。国民叙事詩は少し複雑で、この国家遺産は偉人ポイントを増幅すると同時に偉大な芸術家の発生源となってしまう。都市にスパイ専門家1人と叙事詩がある場合、輩出される偉人の半分は芸術家になるのでかなり深刻だ。(http://stack-style.org/SidGame/civ4strategy/0000500005.html参照)都市に刑務所が設置され、専門家が3人になるまで叙事詩は見合わせよう。領土保全のために芸術家が必要な場合は別だが。
上述のごとくスパイを通じた技術入手は自力開発より安上がりである。できる限り早くアルファベットに到達し、諜報作戦を始動させたいところ。アルファベット以前に何を開発すべきかはスタート地形によって大きく変わってくるが、世界遺産を建設しない場合おおむね次のようになる。
斧ラッシュはあまり望ましくない。隣人と国境開放条約を結べなくなるとスパイの通行に支障をきたす。
アルファベットに到達したらすぐに技術交換を始めよう。青銅器・陶器など置き去りにしてきた技術を他国に求め、自国の筆記・アルファベットなどを対価に差し出す。この際技術後進国との交換を優先するのは科学プレイと同じだが、諜報プレイではそれに加えて隣国を少し優遇する。近場に先進国があれば窃盗が楽。とりわけ序盤ではスパイの生産費・維持費・補給費がかなり重く、道路の移動速度も遅いので距離がきわめて重要である。諜報ポイントは隣国にすべてつぎ込もう。
安価な技術も高価な技術も窃盗によってスパイユニットが失われる確率は同じ。数学などの大物を盗み出して漁業・採鉱などの小物いくつかと交換すると効率が良い。法律は優先的に盗み、裁判所の建設とスパイ専門家の雇用を急ごう。美学のラインは必要が薄い。
2008/1/8追記
現在は美学を自力開発してアルファベットと交換する作戦が主流。
安い技術の受け取りはWFYABTAカウンターを回すので望ましくない。
この時期以降は何を入手するかについてあまりコントロールできない。ビーカーコストの大きい技術を安く盗み、それよりやや小さな技術と交換するのが基本だ。
官吏はこの時代の重要技術。できれば最初の偉大なスパイと同時期に入手したいところ。官僚制とスコットランドヤードの組み合わせは首都の諜報ポイント産出を爆発的に高める。製紙は官吏でも解禁されるので神学は事実上の行き止まり。音楽は職業軍人の直前まで必要ない。封建制度は従士制を解禁するものの、戦時でさえ官僚制の方が有効なので入手は機械の後。
科学・諜報の産出が大きく伸びる時代。バスに乗り遅れないように。
最重要技術は憲法。刑務所を建設すれば諜報ポイントが増幅される上偉大なスパイも生み出しやすくなる。活版印刷と自由主義の入手までに小屋が育っていることが望ましい。優先順位が低いのは教育。科学には投資しないのですぐには得るところが無い。城で諜報を増幅している場合は経済学の優先順位を下げる。神授王権は言わずもがな。
人間プレイヤーが軍事的に優位に立てる時代。戦争の準備を。
物理学で解禁される飛行船は非常に強力。AIはこれの使い方をあまりよく知らないのでプレイヤーにとっては軍事的行動の好機となる。侵略対象に軍事技術を与えないように。
共産主義は諜報局と国有化を解禁するスパイ帝国のための技術。AIはなかなか開発しない。
占領した都市から利益を得ようとするならこの時代が限度。飛行船・スパイ・歩兵の組み合わせは都市攻略にも優れている。飛行機はどちらかと言えば自国が優位に立っているとき有効な技術。不利をひっくり返したければ核分裂まで待とう。
現代の軍事技術が揃っているが、最も重要なのは核分裂。
戦術核は強力すぎる。威力はICBMと同等ながら命中率が高くコストは半額。その上BtSで核シェルターの被害軽減効果が75%から50%に弱体化しており、もはや対抗手段が無い。そしてAIはこの兵器の使い方を知悉していない。一度これがプレイヤーの手にわたれば勝負は決したも同然である。
全てのスパイ活動は自文明と対象文明が今までに産出した諜報ポイントの累計によって+50%~-50%のコスト修正を受ける。つまり、多くの商業を諜報活動につぎ込むほどミッションあたりのコストは低下する。中途半端な投資では諜報プレイのメリットを受けることは難しく、諜報への商業割り当ては財政が許す限り常に最大にすべきである。諜報プレイ中に商業の一部を科学に割くと得られる以上のものを失ってしまう。やるなら徹底的に。
AI文明は自都市を自由に覗かれることを嫌う。プレイヤーが特定のライバルに多くの諜報ポイントを割り当てると、相手もスパイ活動ポイントを増やしてプレイヤーに割り当てる傾向がある。従って1つの文明に諜報ポイントを重点投資し続けると、その文明は対抗して科学投資の一部を諜報に振り分けるので徐々に技術的優勢を失ってゆく。 (この項目は経験則に基づいています。正確さのためにはさらに検討が必要です)
潜入対象都市と自国首都との距離が遠いほど任務コストは膨れ上がる。宮殿を潜入先の近くに移転すればこの問題を軽減可能。国有化の社会制度を採用すればどこに首都があっても構わないのでより移転がしやすくなる。尚、ベルサイユと紫禁城は任務費用に影響を与えない。
スパイユニットが潜入対象となる都市へ移動するのにあまりに長い時間がかかる場合、期間中の維持費・補給費が無視できなくなる。工学や鉄道の発見で移動力が高まるまであまり遠くには派遣しないように。
スパイが潜入する都市にスパイ母国の国教が伝播している場合必要活動ポイントが低減される。割引率は母国が聖都を擁しているか否か、潜入対象国がその宗教を国教にしているか否かによって変動する。
諜報ポイント割引率 | 対象国が母国と同宗教 | 異宗教or対象国に国教無し |
母国に国教聖都あり | 25% | 40% |
母国に国教聖都無し | 0% | 15% |
興味深いことに対象国がスパイ母国と同じ宗教を奉じている方が諜報活動は高くつく。支配階層に組み込まれた信者達は外国の霊的兄弟に協力しない様だ。なお母国が国教を制定していない場合どのボーナスも無し。 従って対象国には信教の自由を採用させ、異宗教による関係ペナルティを避けつつ最大の宗教ボーナスを得るのが良い方法である。
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