激闘の大地 祖国編
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名レポ"スタートダッシュをアグレッシブに"はもうお読みになられただろうか?
その名の通り序盤に軍勢を繰り出して隣国を征服し、最後は人口の力で宇宙勝利という圧巻の一作。
無駄なものを作らないという氏の方針はまさにCivシリーズを貫く勝利法である。
さて当レポの場合、アグレッシブなのはプレイヤーでなくAIである。
BtSでの改善の一つに挙げられるAIの向上だが、その真価は"攻撃的なAI"オプションを入れた場合に発揮されるとか。
(参照)
http://stack-style.org/SidGame/civ4strategy/0000500020.html
ならばひとつ胸を借りてみよう、そしてあわよくば倒してみようというのが本企画の目的である。
大きく進歩したAIの戦争技術に人間は太刀打ちできるのか。しばらくお付き合いいただければ幸い。
このオプションを入れた場合に起こる最大の変化はAIの保有ユニット数である。
通常設定のAIはユニット維持費を考慮に入れて軍備を合理的な規模にとどめておくが、攻撃的なAIははるかに維持費に無頓着になり、本当の意味での"死のスタック"を送り込んでくる。通常に比べユニット数が1.5~2倍になり、都市の守備兵を除いた侵攻部隊は3~4倍ほどにもなる。
その分科学研究は遅れるので平和さえ保てればプレイヤーの勝利である。それが一番難しいのだが。
結局巨大な敵の顔色を伺いつつこつこつ内政・防衛に励むプレイになる事が多い。
無論軍備は必要だが、それはあくまで平和を保つため。征服プレイの対極と言えよう。
BtS3.13
難易度-天帝
マップ-標準パンゲア
速度-通常
文明-オランダ
追加で"攻撃的なAI"と"編集をロック"にチェックを入れる。勝利条件は全て有効。文化勝利などする奴はいないと思われるが。
パンゲアを選んだのは戦争という企画の主旨に合わせるため。攻撃的AIで孤島スタートだと盛り下がること甚だしい。海上侵攻はかけてくるとの事だがやはり迫力に欠ける。
またパンゲアの場合国土の縦深性が無くなるので敗北がそのまま滅亡に繋がり易い。終始緊張感あふれるゲームが期待できる。
文明は最強疑惑の囁かれるオランダを選択。というか常にオランダ。海マップが本分だが陸でも充分力を発揮できる筈。
8個入りの箱に饅頭を7個収めたような形の大陸である。1個分得したのはインドであるが、果たして吉と出るか否か。
我がオランダは北側中央やや東寄りに配置。隣接するのはインド・インカ・ズールー・フランスでヴァイキングは少し離れている。
AI指導者の平和志向度は6人平均で2.2/10という(火薬の匂いで)香ばしい世界。君は生き延びる事が出来るか。
スタート位置は食料と金山に恵まれた海岸沿い。ただし衛生はいささか貧弱で、資源なしでは人口3で不衛生が発生し始める。これ以上北はツンドラなので西と南を拡張先と想定し探索を開始。
技術は畜産から研究。序盤は食料・生産・商業の順で増やすのが鉄則だ。
数ターン後、西へ探索に向かった戦士が立ち寄った村で神秘主義を獲得。創造志向なのですぐには使わないがなかなか嬉しい。
その後インカ・インド・ズールーらの斥候と立て続けに遭遇。文明同士の接触(そして衝突)が早いのもパンゲアの特徴である。
労働者完成の2ターン前に畜産の研究が完了。なんと首都に馬が出現する。この後研究は車輪→採鉱と進め首都では漁船を生産、労働者は豚畜産→馬畜産→豚道路→馬道路→金鉱山と動かす。こうすると漁船完成直後から戦車兵を生産でき、労働者は採鉱の研究後すぐに金山を掘りに行ける。
採掘の後の研究ルートは筆記からアルファベットを選択。金山のおかげでビーカーが非常に多く、他国に先駆けて研究できる公算が大きかったのが理由である。
首都では人口が5になるまで戦車兵を生産、探索に送り出す。生産性の高いタイルが埋まるのを待ち、開拓者の生産を開始。やはり食料が大事ということで西の漁場へ入植。労働者は道路工事に従事し、途中蛮族に中断されつつも首都と第二都市を接続した。
この後も他文明の斥候と接触し、程なくして全てのライバルが明らかになる。首都は最初の開拓者完成後図書館を建設。創造志向なので4ターンで完成し、再び開拓者を生産。この都市は不衛生なので人口増加を少し先延ばしにする目的もある。
やがてアルファベットの研究が完了。他国は筆記さえ持っていないという大きな先行だった。
この時点で技術交換に応じるのはインド・インカ・フランスの3ヶ国。
筆記・アルファベット・神秘主義と引き換えに陶器・帆走・狩猟・弓術・青銅器・鉄器を入手と大成果を挙げる。
1120BCの時点でこの大陸には3つの宗教があった。言うまでも無く仏教・ヒンディー教・ユダヤ教である。
仏教は東の果ての北側にあるフランスで創始され、南側のズールーに広まった。
ヒンディー教は南側中央東寄りのインカで生まれ、真西にあるヴァイキングへ伝播。
そしてユダヤ教はインド発祥の新興勢力である。
日本は国境を閉ざしているので無宗教、オランダは国境を開いているのに誰も来ない。
そんな折、東端の仏教国ズールーがユダヤ教国インドに宣戦。次ターンでヒンディー教宗主のインカも参戦し、インドボコボコ祭りの開催となった。
アショカの無防備さを責めるべきか、それともわざわざインカを通過してやってくるシャカにあきれるべきか。
1000BCに国境付近の小都市がインカの手に落ち、インドは厳しい状況に。
次のターンでオランダはインカから対印参戦要請を受け、インドに兵無しと見てこれを受諾。
ただし実際に戦闘を行うわけではなく単に外交関係改善のため。戦地には一騎も送らずインカ・ズールーとの関係にボーナスが付くのを眺めているだけである。
防戦に回るインドだが、得点首位は伊達ではない。オランダの宣戦を受けたターンに神学の研究を完了、次ターンで神権政治へ移行。
粘り強く戦いを続け、世界最初の偉大な将軍がインドに生まれる。
そもそもこの時代の戦いは本土から戦地への距離がきわめて重要である。
道路の移動ボーナスが少ないので遠征軍は開戦のかなり以前に自国を出発せねばならず、いざ開戦となると時代遅れになっていたり敵の生産力が増していたりする。
言わば未来の軍隊を相手に戦うようなもの。逆戦国自衛隊だ。
長旅をしてやってきたズールー軍は援軍がなかなか到着せず、戦線は膠着状態に陥った。
と思いきや。
775BC、インカの盟友ヴァイキングがインドに対し宣戦。これが宣戦スパイラルである。
これでインドは4ヶ国を相手に戦うことになった。
オランダは見ているだけなので実質3ヵ国だが、それでも単独で支えきれる軍勢ではないはず。
ところが。
700BC、日本がヴァイキングに宣戦、侵攻。南海岸に面する国境都市を攻略してしまう。
どうも徳川は自分の庭と庭先にしか興味が無いようだ。
直後の675BC、ヴァイキングの要請を受けてフランスが日本に宣戦。しかし大陸の端と端である。
これで大陸の7ヵ国全てが戦争状態に突入。ただしオランダだけは軍備をサボって内政に励んでいる。
ヴァイキングの兵が国土防衛に割かれたせいか、連合軍はいささか精彩を欠く。
世界で2人目の偉大な将軍がインドの2人目だった事からも戦況がどちらに有利かうかがい知れるというもの。
結局500BCにズールー・インカがインドと和平。次ターンにオランダが続き、ヴァイキングもしばらく後に講和。
これにて対印戦争は終結の運びとなった。
こうなると一番困るのがオランダである。
他国が手一杯なのをいい事に軍備を怠り、100ターン目を迎えるというのに剣士1体と戦車兵3体しか配備していない。
もはやシャカの軍隊はおろかシャカ1人にすら勝てなそうな最弱軍隊。
手と腹の空いた獣が落ちている肉を拾わない理由はどこにも無いのだ。
そこでオラニエ公はシャカとコンタクトを取ることに決めた。
「あのさ、シャカ君・・・突然で悪いんだけど、戦争してもらえないかな?」
「オウ、宣戦布告か?受けて立つぜオラオラオラオラオラオラ」
「ひぃっ!僕とじゃないよぅ・・・あの、フランスとさ」
「フランス?ああ、俺に傭兵やれっての?」
「うん・・・法律と通貨あげるからさ。シャカ君文系苦手でしょ?」
「よっしゃ任せろ!5ターンで灰にしてやるぜボワハハハ」
「あ、でもシャカ君って仏教徒だよね・・・フランスは仏教の宗主なんだけど」
「あいつはオレの宗主国 でもそんなの関係ねえ!」
こうしてズールーはフランスに侵攻した。
兎が狼に羊の居場所を教えるようなものである。
激闘の大地 祖国編につづく