前回、王建に教育を先取されてしまったが、何もこれで自由主義が王建に取られてしまったわけではない。
幸いにして、この段階では王建は哲学を持っておらず、即座に自由主義の開発に入ることは無いのだ。(ただし、王建は哲学の交換入手が可能な状態)
どの道、教育を中途半端な状態で放置する訳にはいかないので、取り敢えず教育の開発を完了させる。
BC25(114T)教育を自力開発(王建から4Tの遅れ)
ここで、この段階での技術交換テーブルを示す。
【※画像欠損】
哲学はすでに市場流出、教育は王建との寡占。こちらの光学は前ターンにワシントンから哲学+10Gで入手したもの。
ここで注目すべきはまず第一に教育の寡占だ。これが維持できれば、経済学に勝負を賭けることも出来る。
現状では教育は王建の必要既知率を越えていないが、王建>ラムセスが友好に達している。
そしてラムセスに流出すれば、教育は王建の必要既知率を超える。
しかし王建>ラムセスの関係は高々+9で、その内+3はカースト制のボーナスによるものだ。
そこでラムセスに光学を売却し、その際に奴隷制に変更させれば関係が満足に低下し、教育の流出を防げるはずだ。
次に、教育の流出を防いだ場合、自由主義候補は王建になるが、ここで注目すべきは王建の火薬だ。
この火薬は王建が教育開発後に4T掛けて開発したもので、開発完了はこちらの教育と同着だ。
そして王建は幸運にも未だ哲学を入手していない、即ち王建は自由主義以外の何らかの技術の開発を始めた段階だ。
王建が現時点で開発可能なのはギルド、活版印刷、天文学、化学の四種類。
この中で、ギルド以外ならば、その後に自由主義を開発しても合計で8T以上掛かると思われる。
王建の技術嗜好的にはギルドの開発に向かう可能性は低い。
そしてこちらの自由主義は7Tで完成する。(ビーカー100%を維持できた場合)
必勝ではない。だが十分な勝機はある。ここは自由主義に勝負を賭ける。
余談だが、ノートルダム大聖堂は5T前に王建が建設している。ビスマスクの工学秘匿は嫌がらせなのか?
ところが翌ターン、ある問題点に気付く。
王建>ラムセスは+6にまで低下したが、未だに友好なのだ。
困ったことに、ラムセスはBC25(114T)にタージマハールを完成させており、黄金期真っ只中だ。
(因みにラムセスはマウソロス霊廟も所有している。)
ラムセスが自由主義を開発するとすれば3T程度と思われ、後追いでも十分に差され得る。
教育は未だラムセスに流出していない。あと数ターン持ってくれれば良いのだが。
その一方で、王建が小銭を持っているのを発見。上で述べたように王建に哲学が流出しても、最早問題ない。
王建に哲学を140Gで売りつける。これで自由主義までの金銭問題は解決した。さらにこの取引で王建と友好に。
さらにこのターンに大科学者マリー・キュリー誕生、翌ターンに首都アカデミーを建設する。(建設後もGNPは最下位)
自由主義 残り6T
さらに翌ターン、教育は未だ流出していない。そして王建>ラムセスが満足に低下。
王建のスコア順位が前ターンと比べてひとつ下がったのが原因と思われる。
このまま満足で留まってくれれば自由主義レースは勝てるはずだ。
自由主義 残り5T
さらに翌ターン、イベントでラムセスとの関係が-1、満足に低下。宗教ボーナスに伸び代があるので問題ないはず。
そして王建は未だギルドを持たない。上の読みが当たったようだ。(王建への哲学売却はこれを待つべきだったか?)
自由主義 残り4T
翌ターン、自由主義を開発可能なのは王建のみ。そして王建は、火薬後は新たな技術を交渉テーブルに載せていない。
従って王建が化学を4Tで完成させていない限り、自由主義にビーカーを入れている文明は無い。
即ち、自由主義レースに勝ったのだ。
自由主義レースの勝利を確信して最後の都市を建設。カルタゴの初期拡張はこれで完成。
AD75(118T)第十都市タカペ建設
【※画像欠損】
ケルクアンと貝を共有。奴隷解放までに灯台と穀倉さえ建てば最低限の仕事はするはず。
穀倉が間に合わなかった場合、維持費の増加や開拓者のハンマーを考えると収支は際どいライン。
但し外交票の増加を考えれば、それでも十分に役目は果たしているといえる。
さて、無事に自由主義ボーナスの獲得に成功したわけですが、ここ迄である疑問を感じた方もいるのではないかと思います。
即ち、"自由主義がこうもあっさりと取れるものなのか?"という問題です。
カルタゴは最初から自由主義獲得まで常にGNPは最下位でしたし、偉人の電球消費もしていません。
一見すると、自由主義ボーナスを狙うこと自体が無謀に思えるのかも知れません。
実際問題として、今回自由主義ボーナスが取れたのは指導者の顔ぶれも含めて、運に恵まれていた側面もあります。
ただ、自由主義ボーナスというのは構造的に狙い易い様に作られており、それ故に今回ボーナスが取れたとも言えるのです。
ここでは、その点について説明しようと思います。
まず、AIが自由主義を取る場合の開発経路について考えます。
自由主義を狙う場合の最短ルートは神学経由で、紙、教育を開発するパターンです。
教育放出まで官吏が取れない危険があり、プレイヤーが選択するには勇気の要るルートですが、これはAIからも好まれにくいルートです。
なぜならば、神学までは宗教系技術が連なっているのに、紙以降は突然科学技術ルートになってしまうからです。
加えて、キリスト教を創始した宗教指導者から見れば、紙と同時に解禁される神授王権は非常に魅力的に映るはずです。
(即ち、神授王権はAIの自由主義を妨害する素晴しい技術だったのです。)
このルート上のギャップは官吏経由で紙に向かう場合も同様で、宗教技術から科学技術への転換はルートを直線的に掘り進むのを阻害します。
この結果、AIにとって自由主義は狙って獲得する対象にはならず、無節操な金融屋が拾うものに過ぎないのです。
逆に、プレイヤーの側からすると、自由主義ルートは非常に都合が良く出来ています。
同時代の技術の中では比較的重たい技術が直線的に並んでおり、難易度補正に逆らった技術交換が行いやすいからです。
(ただし、官吏と紙の重量バランスが悪く、通貨や鋳金の獲得が遅れやすいという弱点があります。)
今回の場合は、初期に開発した青銅器、帆走を除き、自由主義ルート外の技術は一切開発していません。
つまり自由主義ルートは、経済力に劣るプレーヤーがビーカーを集中投資するのに適したルートなのです。
今回の場合、AIが自由主義を軽視し、こちらが自由主義ルートに集中投資した結果が、自由主義ボーナスなのです。
また、ビーカーの集中投資は難易度シドに於ける、序盤の基本戦略だと筆者は考えます。
シドに於いて(天帝でも同様ですが)、AIとプレーヤーとの差が最も大きいのは開始直後です。
その為、序盤の複数ルートへの分散投資は技術交換市場からの脱落に直結します。
従って、序盤の技術開発を如何に絞り込むかこそが、シドでの生死を分けるのです。
今回の例では「畜産を開発しない」という判断こそが本レポ最大の山場だったと考えられます。
(但し、逆に車輪と陶器を切って、狩猟、畜産から筆記に至るのも考えられ、そこあたりの判断は非常に難しいです。)
そして逆に、中盤まで技術交換市場に残り続ければ、自然と活路は見出せるというのが本レポのメインテーマです。
ここで、AIの補正について確認してみましょう。
まず、ハンマー面での補正は、AIがより少ないハンマーで生産が可能という形で与えられます。
この補正は一般のユニット、建造物の他にチームプロジェクト(宇宙船と戦略防衛構想)に掛かります。
その結果、AIは天帝で60%、シドで50%のコストで生産を行います。
一方で、ビーカー面での補正はプレーヤー側に掛かり、維持費と開発に必要なビーカーが
増加します。
ここで重要なのは、この補正はハンマーと比べると非常に小さな補正だということです。
難易度シドの場合AI(=貴族)と比べて、維持費は50-60%増加し、必要ビーカーの増加に至っては高々35%です。
国力が互角として、科学レートをこちらが80%で維持し、AIを60%にすることが出来れば、互角の開発速度が得られる計算です。
そして重要なのは国力格差はシドと言えども限定的だということです。
AIは都市の各種施設が半額で建ち、土地改善も倍速以上で行えることから、序盤は圧倒的な経済力を示します。
しかしいくら初期の拡張速度が速くとも、大陸の大きさが一定である以上、AIが最終的に建てる都市数は天帝と変わりません。
(仮にこちらの建てられる都市数が2減少したとしても、AI1文明当たりの都市数の増加は0.3に過ぎない。)
従ってプレーヤーが十分な初期拡張に成功し、双方の都市が成長限界に達すれば、国力の差は極めて限定的なのです。
以上のことから判るように、上で述べた活路と言うのもこの国力格差の縮小です。
そして、時がプレーヤーに味方し、ビーカー面で戦えるなら、宇宙勝利は合理的だと考えたのが本レポなのです。
自由主義が取れるとなると、次はボーナスで何を貰うかを考えねばなりません。そこで、自由主義直前の技術テーブルを示します。
【※画像欠損】
ここでまず考えねばならないのは、今後どの技術ルートを掘り進んでいくかです。
この段階での技術ルートとしては、民主主義ルート、鋼鉄ルート、蒸気機関ルート、物理学ルート、生物学ルートがあります。
しかし、現在の技術交換テーブルと、6T前(教育直後)のそれから考えるに、王建が化学、ラムセスが憲法を持っている危険性があります。
現在友好関係にある両国の技術を後追いするのは、如何にも拙い展開です。
そうなると、残された技術ルートは蒸気機関ルートと物理学ルートになります。
ここで自国の構造的なハンマー不足とサンコーレ大学を考慮すると、僧院を無効化する科学的手法はあまり取りたくありません。
また、電気系遺産を建てるだけのハンマーが無いことは物理学ルートの魅力を減らします。
これらのことから、今後の進むべき技術ルートは蒸気機関ルートになります。
また、各国の外交状態も考えねばなりません。
当初は、自由主義ボーナスを使って世界を戦争状態にすることを目論んでいました。
しかし、ここにきてある問題が発生しています。
宗教ボーナスと体制ボーナスが育ちすぎて、スレイマン>ハンムラビが友好に達してしまったのです。
この結果として、潜在経済力の最も高いハンムラビを戦争状態にする手立てがなくなり、当初の計画は水泡に帰しました。
従って、自由主義ボーナスは交渉材料としての価値よりも、自分が進めたい技術ルートに対する貢献が重要になってきます。
以上のことを考えると、自由主義ボーナスで狙うのは、蒸気機関ルート上にある活版印刷かギルドになります。
単純な技術重量や流通状態を考えると、活版印刷のほうが優れていますが、ギルドにも以下のような利点があります。
ひとつに、ギルドと教育の流通状況を考えると、ここでギルドをボーナスで取れば経済学一番乗りが期待できます。
経済学は蒸気機関ルート上にはありませんが、海洋都市多数の今回の立地では自由市場の早期採用は魅力的です。
また、大商人の交易ミッションの収益をビーカーに換算すれば、経済学の元はある程度取れます。
加えて、今ギルドを放出すれば、大金(ラムセスが翌ターンまで持っていれば)と音楽(転売用技術)が効率的に得られます。
一方、活版印刷をボーナスでとる場合には2通りの戦術が考えられます。
ひとつにはギルドにビーカーを注ぎ、経済学の可能性も残すパターンです。
そしてもうひとつの戦術は、ここでビーカーレートを0に落とし、ギルドの市場流通を待つというものです。
さてこれらの内で、どれを選ぶかですが、ここで考えねばならないのは、今、非常に有利な状況にあるということです。
立地に恵まれ、自由主義も取った現状ではリスクよりも堅実な展開が望まれます。
従って今回はボーナス活版印刷、ギルド自力開発という選択をしたいと思います。
(少し補足しますと、ギルドは既にワシントンの必要既知率を越えています。
その上で、ギルドが秘匿されているのは軍事技術だからであり、ギルドの市場流出のタイミングは予想困難です。
また、教育の寡占については、実は王建>ラムセスに公明正大ボーナスがつけば、あっさり崩れてしまう危険があります。
こういったことから、上の選択は一番堅実だと言えるのです。)
その4に続く
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